コメツキを始めた日
コメツキさんは今日も最終電車みたいです。
雪が心配されていたけれど大丈夫かな。
コメツキさんが頑張って米搗きを始めたのは、その髪型のためです。
マセン子は家族全員の床屋さんでもあります。
結婚以来、コメツキさんの髪はマセン子が切っていました。
子供達も一度も床屋さんに行ったことがないんです。
ラッキーな事にみんな、素人がどんな風に切ってもまとまり易い素直な髪なんです。
年を追う毎に心細くなってきたコメツキさんの髪の毛。
色々試しましたが、今は、お医者さんにもらうあの薬が効いているみたいです。
わあ、「王様の耳はロバの耳」って、叫んじゃってる?
コメツキさんに殺されそう。
このブログは、あの床屋さんが掘った穴ってことになるのかな。クスっ。
七三分けだったコメツキさん、ある日、目立ってきた地肌を隠すための髪を短く切ろうとしたマセン子に抵抗しました。
だんだん、バーコード的になりつつあったので、もっと素敵な髪型にしてあげたかったんです。
マセン子の説得に応じて、髪を切られるコメツキさんは、まるで断髪式のお相撲さんのようでした。
そして、髪を立ててスタイリング剤で仕上げてみせました。
その髪型を手に入れたコメツキさんにはもう、プライドなんて何の意味もなしません。どんなにおコメを搗いても、マセン子にねだります。ヘアセットしてくださいませマセン子さま!といった感じです。
髪を立てる作戦は大成功でした。地肌も隠れたようだし、何より若く見えます。コメツキさんの5年前の写真のほうが老け顔なんです。
毎朝、ヘアセットのためにお米をつく時間は、二人にとって大切な幸せな時間になりました。